才能と我
●才能と我
才能がある人が描いた絵を見ると、金持ちなら『面倒を見てあげよう』となるし、それほどお金がない人でも、『めしを食わせてやろう』となる。
見た人が、持てる力を出したくなるのが芸術なんです。
それは人を感動させたということだから。
今は昔と違って、絵でも展覧会がたくさんあるよね。
ところが、展覧会にいくら出しても入選しない。周りの人も見向きもしないというだったら、まず諦めたほうがいい。
もちろん、死んでから認められることもあります。
でも、それは世界でも少ししかいないんです。
それよりも、あなたが絵を描いていることで、周りに迷惑をかけていないかい?
あなたが絵を描き続けることで、家族が泣いているんだったら、それは天を敵に回し、世間を敵に回しているということ。
一人で戦っても、絶対勝てないんです。
やめたほうがいい。
人には、人に喜ばれる存在になるという使命があるんです。
たとえばカメラマンでも、『客からこういう写真を撮ってくれと言われたから撮ったけど、なんだか釈然としないんだよね』なんて言っているやつがいる。
それは人より、自分を喜ばせることに重きをおいているからなんだよね。
人に喜ばれることをすると、天が味方する、世間が味方するの。
ところが、『我』を出して、『僕はこういうのをやりたいんです』と言ったとたんに、天や世間を敵に回すことになる。天と世間を両方敵にまわしたら勝てないよ。
だから、自分の『我」を捨てて、相手が喜ぶことを考えな。
斎藤一人
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